一般社団法人大阪代協

堺支部の活動報告

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7月支部会を開催しました~火災保険の商品比較~

2025.07.27

2025年7月23日(水)午後4時から三井住友海上火災保険株式会社堺支店会議室 にて令和7年度第3回支部会を開催しました。門口副支部長が司会者となり34名(会員30名・南支部会員2名・提携事業者1名)が参加して情報交換を行いました。

田野支部長のあいさつ

前回6月の支部会には、たくさんの方に参加いただき理事会でも堺支部が活性化できているとお褒めの言葉がありました。参加された皆様にも「参加して良かった、楽しかったよ」という言葉をいただき、これもたくさんの方に参加いただき色々な情報交流ができたことが理由のひとつだったと思います。
今後も皆様に喜んでいただけるような支部会運営を考えていきますので皆様も積極的にご参加いただき生の声で情報交換をしていただければと思います。

【各委員会報告】

・教育委員 7月9日開催(山本委員より報告)

①コンサル運営について、1回目 7月10日実施 2回目 10月28日実施します。
②人材育成研修会( 阪神ブロック協議会主催)について、9月5日~6日実施します。
③代理店ベンチマーク研修について、7月25日~26日実施します。
④日本代恊アカデミーについて、我々が作った教育システムなので是非、利用していただきたいです。

・組織委員会 7月10日開催(門口副支部長より報告)

①8月27日実施の「代理店賠責オープンセミナー」について、多くの方に参加していただきたい。
②大阪代協未加入代理店アプローチリストの整理について、各支部で未加入の代理店のリストアップの依頼。

・企画環境委員会 7月7日開催(松本委員より報告)

「2025 大阪代協全会員アンケート」実施について、代理店店主を始め全募集人が対象です。
皆様の声や思いを集約し、日本代協・金融庁・財務局・各保険会社に届けますので必ずご回答ください。

・CSR委員会 7月9日開催(大西副支部長より報告)

ぼうさい探検隊について、募集締め切りが11月初めとなっております。現在、夏休み期間中なんで重点取組みをお願いしたい。
②防災士資格取得について、防災資格養成講座の受講料は、防災士研修センターで受講すると受講料
 64,000円ですが、大阪公立大学では26,000円で受講できます。
但し、人数制限があり抽選となります。
『トータルプランナーのいる代理店・防災士のいる代理店』を目指し、代理店の価値向上に寄与したいと思っています。

・事業活性化委員会 7月8日開催(杉本委員より報告)

6月の堺支部会で実施した提携事業者の紹介を大阪代協としての行事として企画しています。

【理事会報告】

田野支部長より7月17日開催の理事会報告が行われました。
「大阪代協全会員アンケート」に回答いただくよう再度呼びかけをしました。

・審議事項

①全会員アンケート実施要領
②日本代協アカデミー取組目標
③日本代協コンベンション参加者選定要領
④提携事業者との交流イベントの開催
詳細は、下記のリンクをご参照下さい。
7月理事会報告リンク入り口

【勉強会】

火災保険の商品比較

今回の勉強会は、堺支部の副支部長でもある株式会社モストコンサルティング 泉州支店支店長の高見仁志氏に講師を依頼し、火災保険の商品比較について講義をしていただきました。高見氏は、前職は損保ジャパンの火災新種センターに勤務されておられました。本来は、2時間は要する火災保険(個人向の戸建)の内容ですが、今回は30分間という短い時間なので要約して説明いただきました。

冒頭、クイズ形式で質問がありました。

①隣家が火事になり自宅の壁が焦げてしまった。→ これは何の事故?「火災事故?」「不測かつ突発的な事故?」「物体飛来?」

②すすによる被害。 → これは何の事故?「火災事故?」「不測かつ突発的な事故?」「物体飛来?」

③上層階で火災があり消火に水濡れ。→ これは何の事故?「火災事故?」「他戸室からの水濡れ事故?」「不測かつ突発的な事故?」
 
④消防隊により扉を壊された。→ これは何の事故?「火災事故?」「不測かつ突発的な事故?」

会場の中には間違った回答する人もありましたが、これらの事故はすべて「火災事故」として保険金が支払われます。

なぜ、こんな話をするかというと保険金の支払ができるかできないか、何の事故で支払うかによって費用保険金に入るところと損害保険金に入る部分で金額が変わってきます。
今回は、保険金の支払について詳しく話ができませんが次回改めて説明いたします。

乗合代理店は、ハ方式が来年度からなくなるため準備が大変です。また、専属代理店の皆さんも保険料の値上がりで更改はもちろん、新規の提案も難しいです。よって、色々な意味で、各社の商品の良し悪しを知る必要があります。

①保険の目的について
②保険金額の設定について
③水災のリスクについて
④築古物件について
⑤損害保険金と費用保険金の違いについて

①保険の目的について

建物の範囲「附属建物(物置・倉庫等)、畳、建具、建物付属設備、門、塀、外灯など」については、基本的には各社の違いはありませんが、
・物置車庫で、三井住友海上社が「66㎡未満、66㎡以上「屋外明記物件特約」が必要」となっている。
・屋外設備で、東京海上日動社が「屋外設備が水災によって生じた損害は、「特定設備水災補償特約」の付帯が必要で浸水条件なし」となっている。 三井住友海上社は、「特定機械設備水災補償特約」を付帯することで浸水しなくても補償されるとなっている。AIG損保社は、屋外に設置された機能ポール、ガーデンライト、灯篭、固定設置された物干し等1事故50万円限度(庭木とあわせて)補償される。
・その他で、三井住友海上社とAIG損保社は、「庭木」も補償されます。但し、屋外設備の補償とあわせての限度額あり。

②保険金額の設定について

保険金額の設定で各社の保険料の差が出ます。これは、保険金額を設定する前に保険価格の違いにあります。
保険価格(Value)を設定して保険金額を設定するのですが、保険価格の設定で必要な新築単価が各社異なります。

【例えば】新築単価法 木造 125㎡ 建築年2005年(H17年10月) 堺市中区 の場合の建物評価額
損保ジャパン社 179千円/㎡単価 基本評価額22,400千円 (評価範囲±20% 17,920千円~26,880千円)
東京海上日動社 236千円/㎡単価 基本評価額29,500千円 (評価範囲±30% 20,000千円~39,000千円)
三井住友海上社 189千円/㎡単価 基本評価額23,600千円 (評価範囲±30% 16,500千円~30,712千円)
日新火災海上社 227千円/㎡単価 基本評価額28,400千円 (評価範囲±30% 19,880千円~36,920千円)
AIG損保社  177千円/㎡単価 基本評価額22,200千円 (評価範囲±30% 15,540千円~28,860千円)

①各社の保険価格の中央値で保険金額を設定した場合の保険料
損保ジャパン社 保険価額22,400千円  保険金額22,400千円 保険料46,540円
東京海上日動社 保険価額29,500千円  保険金額29,500千円 保険料70,600円(屋外設備なし66,210円)
三井住友海上社 保険価額23,600千円  保険金額23,600千円 保険料56,520円
日新火災海上社 保険価額28,400千円  保険金額28,400千円 保険料48,440円(安心ドクター)
                                 保険料61,620円(住宅安心)
AIG損保社  保険価額22,200千円 保険金額22,200千円 保険料57,980円

②各社の保険価格の下限値で保険金額を設定した場合の保険料
損保ジャパン社 保険価額17,920千円  保険金額17,920千円 保険料41,060円
東京海上日動社 保険価額20,000千円  保険金額20,000千円 保険料49,150円
三井住友海上社 保険価額16,500千円  保険金額16,500千円 保険料47,050円
日新火災海上社 保険価額19,880千円  保険金額19,880千円 保険料34,060円(安心ドクター)
                                 保険料43,300円(住宅安心)
AIG損保社  保険価額15,540千円  保険金額15,540千円 保険料56,140円

③各社の保険価格と保険金額を同額に設定した場合の保険料
損保ジャパン社 保険価額22,200千円  保険金額22,200千円 保険料46,280円
東京海上日動社 保険価額22,200千円  保険金額22,200千円 保険料51,890円
三井住友海上社 保険価額22,200千円  保険金額22,200千円 保険料54,080円
日新火災海上社 保険価額22,200千円  保険金額22,200千円 保険料37,980円(安心ドクター)
                                  保険料48,290円(住宅安心)
AIG損保社  保険価額22,200千円  保険金額22,200千円 保険料57,980円

④保険価格が低い三井住友海上社の保険価格に合わせて保険金額を設定した場合の保険料
損保ジャパン社 保険価額17,920千円  保険金額16,500千円 保険料40,140円
東京海上日動社 保険価額20,000千円  保険金額16,000千円 保険料48,210円
三井住友海上社 保険価額16,500千円  保険金額16,500千円 保険料47,050円
日新火災海上社 保険価額19,880千円  保険金額19,880千円 保険料34,060円(安心ドクター)
                     保険金額16,500千円 保険料36,040円(住宅安心)
AIG損保社  保険価額16,500千円  保険金額16,500千円 保険料56,490円

※日新火災海上社の安心ドクターは自由設計商品で保険料安価であるが、代理店手数料は低い商品です。
※各社の保険料を比較した結果、損保ジャパン社の保険料が安い傾向である。

③水災のリスクについて

水災ハザードマップを活用してお客様に「水災リスク」の有無を確認するのが一番大事であると思います。水災には、「外水はん濫」と「内水はん濫」があります。外水はん濫は、河川の堤防の決壊や、河川水位の上昇によって、河川の堤防から水があふれることです。家屋の倒壊や流失など、大規模を引き起こすことがあります。内水はん濫は、雨をスムーズに河川へ排水しきれなくなって、下水道や水路などから水があふれることです。現代では、都市化が進み、降った雨が地面へ浸透することなく、短時間に集中して下水道や水路に流れ込むため、内水はん濫の危険性が高まっています。

戸建ての火災保険で水災リスクが外せるかどうかで保険料の違いが出てきます。ちなみに損保ジャパン社と日新火災海上社(安心ドクター)東京海上日動社(超保険の住まいの補償)は水災リスクを外せます。

※大阪代協ホームページに「ハザードマップ活用基本ガイド」が掲載おりますのでご活用ください。

④築古物件について

損保ジャパン社 
①築30年以上の建物で風・雹・雪災の免責5万円の自動設定
②築40年以上の建物は、引受チェックシートの作成要。

東京海上日動社 
①築30年以上の建物の免責金額1回目5万円・2回目10万円となる。
②築40年以上の戸建て・共同住宅の一棟全体の新規引受の場合は保険期間を長期とする場合は社員照会、個別にU/Wチェックシートの起票と写真の送付し引受可否を保険会社へ照会。

三井住友海上社(築50年以上の建物で)
①『建物診断アプリ』を利用した引受、アプリを用いて建物を撮影し、画像をAIで診断し『診断結果レポート』の結果を踏まえて、引受内容を決定します。
②『建物診断アプリ』を使用しない引受は、補償内容を限定して引受します。
保険期間:1年のみ 契約プラン:エコノミー 免責:風災以外10万、風災20万

日新火災海上社
①保険期間の制限あり、一戸建て住宅(築50年以上・築年数不明も含む)・共同住宅1棟(築30年以上・築年数不明も含む)は1年契約のみ
②築年数30年以上または築年数不明と建物については「風・雹・雪災と水濡れ危険」の免責5万円
③「空家・別荘・別宅」のうち「H構造または3級」かつ「築30年以上または築年数不明」の物件は引受不可

AIG損保社
①1981年5月以前建築のT・H構造は保険期間1年
②M構造、T・H構造で1981年6月以降築の建物は5年長期引受可能
③マンション1棟契約については、新規契約では築2年未満の物件で保険期間1年のみ、築2年以上で全件事前照会

※築古物件については、保険期間1年であれば各社引受も可能であるところが多いです。

⑤損害保険金と費用保険金の違いについて

費用が損害保険金として支払われるのか、支払われないかで、臨時費用保険金の金額が異なります。損保ジャパン社では、復旧費用だけでなく、復旧付随費用もまとめて損害保険金として支払われるので臨時費用が他社と比べて支払額が大きくなります。     

保険金支払いついては、一番の得意分野ですが、ちょうど持ち時間となりましたのでまた機会があれば話をしたいと思います。

最後に今日一番お伝えしたかったのは火災保険を単純に比較するのではなく、あくまでも保険価額をどう評価されているのかで保険料に違いが生じます。あと保険金額の設定以外にも、補償内容が各社で全然違うので一概に保険料が高い安い、という事はできません。
今日は詳しく話せませんでしたが、損害保険金の範囲の違いによる支払われ方の差を考えた上でどこの保険会社の商品が適しているのか判断したほうが良い。

※この続きは、9月24日の支部会で開催予定をしておりますのでお楽しみと支部長から告知がありました。

お客様に活用できる提案サービスのご案内

・無料法律相談

提携事業の紹介で、弁護士法人ALG&Associatesの渉外担当 外薗真衣氏より無料法律相談の説明をいただきました。
大阪代協と2023年10月に事業提携をスタートし2025年6月末までの相談件数が246件でその内、弁護士に委任された案件は90件です。ほぼ相談のみでご利用いただいておりますので、お気軽にお声がけください。

※無料法律相談の詳細はこちら

・閉会のあいさつ 高見副支部長

今後の予定を告知して閉会の挨拶をされました。

【今後の予定】

・「大阪代協LIVEステーション」のパブリックビューイング開催
 令和7年8月4日(月) 16時~17時
 三井住友海上 堺支社 5階会議室

・「代理店賠責セミナー2025」のパブリックビューイング開催
 令和7年8月27日(水)15時~17時
 三井住友海上 堺支社 5階会議室
 ※パブリックビューイングで視聴いただける方は代協HP会員ページに
  出席のご回答をお願いいたします。



最後に集合写真を撮影して支部会は終了しました。

【懇親会】

懇親会は、「炭火とワイン 堺東店」で開催し、参加者20名(会員16名、南支部会員3名、提携事業者1名)で楽しい時間を過ごしました。

(記事:堺支部 大谷記者)

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