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南支部の活動報告

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支部総会・2月度支部会≪昨今の事故車修理見積事情セミナー開催≫

2024.02.26

2024年2月22日(木)16:00より支部総会・第6回支部会を、八尾市のカーライフサポート株式会社にて13名参加で開催いたしました。

【支部総会~議事の部】

まず西村支部長進行により支部総会が行われました。
・(第一号議案)令和5年度 支部活動報告・会計報告
・(第二号議案)令和6年度 支部活動委予定(案)
・(第三号議案)令和6年度 役員改選(案)
以上の議案が提議され、全て出席者全員一致で承認されました。
総会の後は理事会・委員会報告が行われ、今回も西村支部長作成の報告資料の内容を共有しました。

【勉強会の部】

続く勉強会の部は『昨今の事故車修理見積事情~その見積もりは高くない!~』をテーマに行いました。担当は、今回の場所をお借りした、カーライフサポート株式会社の代表取締役を務める相楽士朗会員と私、田中でした。
事故対応時に自動車の修理費の金額を説明する機会が何度もある中で、その際にお客様から『古い車なのに、思ったより高い!』『相手の修理費、こんなにかかるの!?』等の声をよく聞きます。
その声に対しての説明根拠として現場の実情を勉強したいと思い、複数の損保会社の指定修理工場でもある同社の実際の現場での勉強会を相楽会員に相談した所ご快諾いただきました。
相楽会員進行の下、まずは実際に同社に入庫した事故車の事例から始まりました。以下抜粋です。
なお、本文内の金額は実例の見積額であり、実際の相場を現すものではありません。

(年式によって、見積は高くなる!)
<実例:ヴォクシーのバンパー交換修理の場合>

■初代、二代目ヴォクシー(60系、70系)のパーツ代(工賃他別途)・・・7~8万円台
■三代目ヴォクシー(80系)のパーツ代・・・5万円台
と、パーツ代は現行モデルに近ければ安く、年式が古い程上がる傾向にあります(リサイクルパーツを採用することで、安価で済むケースもある)。これは普通車、軽自動車を問いません。とはいえ、新しい車両は造作が凝っていて交換作業に時間がかかる為、工賃によって差額が埋まり、終わってみれば総額があまり変わらないというケースも良くあるそうです。

(車の装備によって、見積は高くなる!)
<実例:カローラのヘッドライト(片方)修理の場合>

■ハロゲンランプ、HID交換の場合の修理費・・・3~5万円台
■LEDランプ交換の場合の修理費・・・10万円以上
最近の流行として最高光度に達する速さやその省エネ性等の理由から、ヘッドライトにLEDを用いた車両が増えてきています。旧来のハロゲンランプ、HIDは状況によっては球やユニットの交換で対処可能です。それに対し、LEDはシステムに組み込まれている為損害状況に関わらず一体として交換になるので、機能が向上した反面、LEDの主流化が進むと修理・交換費用が高額になっていく点を危惧されていました。
上記以外にも様々な修理事例(レクサスの事例は150万円越えでした(;゚Д゚))を見せていただき、室内の各所から驚きの声やため息が聞こえていました。

(追加修理・修理方法によって、見積は安くなる!)
続いては、高い高いだけでは芸がないという事で、提案によって安価な修理費でお客様の負担を軽減できた事例をご紹介いただきました。
<追加修理実例:ワゴンRの左前タイヤ周り修理の場合>
■縁石に接触した事故ということで、車両左側に前から後ろまで傷のある状態で持ち込まれた。当初一事故と聞いていたが、前後の傷を一事故とみなすには整合性が無いと判断し持ち主に確認した所、後方は息子が当てていた別事故だったことが判明し、金額によっては追加修理したいとの意向があった。
後方部分単体だと追加で修理費が12万円ほどかかるが、本来の事故部分である前方部分(=隣接部分)と一緒に追加作業することで塗装代が抑えられ、後方部分については8万円の追加で済み非常に喜ばれた。

もちろん単体での修理費をそのまま加算する工場もあり、それは工場次第です。我々消費者としては、同社のような良心的な工場を選ぶことが大切ですね。

<修理方法実例:ホンダシャトルのバックドア、リアバンパー修理の場合>
■バックドアとリアバンパーに接触による凹みがあり、通常なら交換で費用としては23~25万円くらいかかる。当初は保険使用の方向で話を進めていたが、使用しない方向での安価な修理方法は無いかと相談を受けた。最終的に叩く+パテ埋めでの工法を選択し、修理費を15万円に抑えることが出来た。

パテ埋めの修理の場合、表面は交換と遜色なくきれいになるが、裏面にふくらみが出てしまうことがあるので基本は交換を進めているそうです。お客様への提案力と要望に応えられる技術を持っているのも同社の魅力だと感じました。

(安全装備がついていると、見積は高くなる!)
続いて、安全装置の搭載されたプリウスの実車を見ながらエーミング作業(電子制御装置が正しく作動するための調整作業)を見せていただきました。安全装置は車両前部に搭載されたセンサーやカメラが担っており、フロントガラスを交換した際にはそこにズレが生じるので、調整作業が必要です。当然費用もかかります。出来る限り自社でエーミング作業を行う方針ですが、メーカーによってはセンサーが多く、ディーラーに依頼しなければならないケースもあるそうです。

ちなみに、フロントガラスの交換費用(ガラス代、接着剤代等込み。最近、相場の上昇が顕著だそう。)ですが・・・
■カメラの無いモデル・・・約18万円
■カメラ搭載モデル・・・エーミング作業ありで約25万円
になるそうです。工場内の実車を見ながらの作業風景はとても興味深く、説得力がありました。

(今後、保険会社が求める修理工場とは?)
従来、損保会社から積極的に行われていた事故車の入庫誘導ですが、ビッグモーター事件後一転して各社とも紹介スキームを見直し、消極的になりつつあります(ダイレクト系損保の中には入庫誘導を廃止した会社もあるそうです)。
他の動向として、指定修理工場の認定基準に、【工場内のカメラ設置】や、【お客様とリアルタイムで情報を共有できるような修理工程管理システムの導入】などを新たに設定し、準備猶予期限内に条件を満たせなかった工場は新規・更新の指定を受けられないとした保険会社もあります。

相楽会員は「ビッグモーター事件後、各社ともルール見直しの動きが見られる。その中には保険会社から修理工場への不信感の現れと感じられる項目もあり、疑問点・不満点には工場サイドからも声を上げていく必要がある。物理的には大変だが、保険会社の<ルールに則った工場との関係だけを残して健全化に努めたい>という前向きな声明と捉えられるので、そこは評価したい」と言われました。

(今後、お客様が求める修理工場とは?)
同社は、お客様とLINEで修理過程の写真や見積りを進捗あり次第随時共有したり、(やり取りがスムーズで便利)、入庫時・納車時にお客様の前で敢えて破損箇所、修理箇所の写真を撮ることでお互いの公正さを確認するなど、お客様と工場の双方が安心できるスキーム作りに注力しています。

実例として入庫した実物を見せてもらいながらの勉強会はかなりの説得力があり、課外研修といっても良いレベルのボリュームと内容だったという好評の声もありました。同社のお客様への誠実さやプライド、仕事への熱いスタンスが感じられたとても良い時間でした。安心して自分のお客様を紹介できる良い会社だと思いました。

相楽会員をはじめ、現場での勉強会にご尽力いただきましたカーライフサポートの皆様、ありがとうございました。

支部会の後は恒例の懇親会。今回は同社行きつけの焼き肉屋で、煙にまみれながら笑顔あふれる楽しい時間を過ごしました。

来期も良い支部になるよう、皆で盛り上げていきましょう。

(記事:南支部 田中記者)

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