委員オリエンテーション2025

2025年度の委員オリエンテーションが6月6日(金)駅前第2ビル5階、生涯学習センター第1研修室にて62名が参加して開催されました。この行事は委員会だけではなく、支部の構成メンバーとしても重要な意味を持った取組みです。

開講挨拶

隼田副会長が開講にあたっての挨拶に立ち、下記の内容で開催の趣旨を説明しました。
①代協活動の必要性を腹に落として欲しい
②保険会社の枠を超えた仲間の存在を感じて欲しい
③大阪代協として一体感を大切にして欲しい
そして最後に、委員の皆さんが自らの使命感に燃え、能動的に活動すれば、支部はもちろん、大阪代協全体が大いに活性化します。これは、私たち保険代理店の未来にとって非常に大切なことです。
委員の皆様は、その重要な立場にいることを是非ご理解ください、と結びました。
新谷会長からのメッセージ
続いて新谷会長からメッセージとして、参加した委員の皆さんに3つの質問を通じ、代協の必要性、重要性を訴えました。

代協活動はボランティアだと思っていませんか?
代協に参加するのは、自分自身のため、自分の会社のため、もっと言えば「保険代理店」という職業のためであり、決してボランティアではない、と自らの経験を踏まえて委員の皆さんに伝えました。
保険会社のいう通りにやっていて将来も大丈夫だと思いますか?
保険会社にとって、国内損害保険事業は経営効率面や将来性からみて、魅力的なマーケットとは言えなくなっています。拠点や社員数、そして代理店数の削減等、投下する資本を減らし、生産性向上に努めるのはある意味必然だと言えます。
私たち代理店にとって、保険会社とのパートナーシップは重要ですが、保険会社のいうことだけを聞いていては大局的な判断を誤る恐れがあります。代協に足を運んで保険業界のスタンダードは何なのか、金融庁はどう考えているのか、他社の代理店は何をしているのか、自分の目で確認することが重要、と説明しました。
保険会社のやることに対する皆さんの疑問や意見を保険会社は聞いてくれますか?
「早期更改はなぜ4週間前なのか」「保険会社のドラレコでないとポイント対象にならないのか」など疑問に思ったことはありませんか?大阪代協では毎年、全会員アンケートを実施し、その結果を保険会社、金融庁、近畿財務局、損保協会、業界新聞社に報告や提言を行っています。その影響が各社の手数料体系にも少しずつではあるが現れ始めています。
また、日本代協は、昨年開催された「有識者会議」「金融庁審議会ワーキンググループ」損保協会の「第三者検討会」これらすべての会議にオブザーバー参加をしている。そこで先程のアンケート結果内容も踏まえ保険代理店の立場で意見を伝えています。
金融庁や損害保険の仕組みを作る公の会議の場で代理店の立場から意見を言えるのは唯一代協だけです。私たち代理店の声や思いを保険会社や行政に届けるために、代協は必要であり、なくしてはいけない、と訴えかけました。

日本代協・藤山組織委員長による講演
続いて日本代協 組織委員長の藤山裕介氏による講演が行われました。テーマは「保険代理店と保険会社のミライ」でした。

藤山氏は損害保険、代協の歴史を知ることが未来を創ることの参考になるとして損害保険の歴史から話を始められた。
福沢諭吉が日本に一番初めに損害保険について紹介した。その後、最初の保険会社、東京海上保険会社(現東京海上日動社)が明治12年に設立された。この会社はマリン専門だった。その会社の代理店は三井物産、三菱会社、日本郵船などの会社で海上保険を販売していた。
明治20年に東京火災保険会社(損害保険ジャパン社)が設立された。火災保険専門の保険会社で代理店は地元の名士、商人などだった。
この時代は損害保険制度への理解が普及しておらず、掛け金を払って万一の事故の際に保険金を受け取る仕組みを信用してもらえなかった。そのため地元の名士や有力商社などの「信頼の力」を使って売る必要があった。私たちは今でも「信頼の力」を使って販売しています。そして「90.2%」という数字をあげ、これは代理店が取り扱う損害保険の割合であり、代理店の信用の証だ、と語りました。
日清、日露戦争後になると経済発展が急激に進み、新しい損害保険会社が数多く誕生した。その結果、保険料率競争が発生し、代理店手数料の割り戻しなどの不適切な問題も発生し、保険会社や代理店の破綻も相次ぎました。
当時は保険業法などのルールもなく、代理店間で不適切行為の防止のために自主規制を設けるが持続せず、世論、保険会社からは代理店不要論が出る事態となってしまいました。それを打開しようと5つの代理店(この内の1店は株式会社集成社)が集まり一般消費者、保険会社を相手に代理店不要論を打開しようとしましたが、なかなか事態は好転しませんでした。
その後、原点に立ち返り、代理店が信頼の力を蓄えることで損害保険市場が安定し普及につながる、という方針に転換し、代理店10店で始めたものが日本代協の前身である東京火災保険代理業懇話会でした。昭和18年に東京損害保険代理業協会が設立され、そしていくつか名称を変えながら全国損害保険代理業協会連合会となり昭和39年に社団法人全国損害保険代理業協会連合会となり現在の日本代協につながっています。
続いて、当初に作成され現在に引き継がれている日本代協の倫理綱領から、同業者相互間は友好的、保険会社とは友誼的な関係を目指していることを紹介し、代協は保険会社との関係を重要視している立場にあることを説明しました。また、定款の目的を示し、代協は共益性よりも公益性を重んじる団体であることを強調。これらを前提として、日本代協の活動を説明し、各委員会の位置づけを説明しました。
代理店経営について、日本代協の団体契約である代理店賠償責任保険とその背景について説明がありました。代理店賠責の損害率が悪くなっていることに触れ、事故例の傾向は以前と同様で、基本的な誤りによるものが多い。事故防止には全募集人のコンプライアンス意識を高めることが必要であり、賠責セミナーを既加入会員の募集人全員が受講する事が重要だと訴えました。
また委託がない保険会社商品の内容は代申会社は教えてくれない。これを学ぶことができるのは日本代協アカデミーだけだ。代協会員としてこれを活用しない手はない、と言い切りました。
最後に代理店の未来について重要な事として次の3点を挙げました。
情報の大切さ
適切な判断と気づきのためには信頼でき、相談できる仲間が重要
基本・王道に立ち返ることが重要
すなわち顧客本位の業務運営を追求し、一般消費者および契約者の利益保護を徹底する。
強みを生かす
「信頼の力」の強化。「人は信頼できる人から保険に加入した方が安心する文化」を維持向上させる。
講師の藤山氏はマイクも使わず、日本代協の説明と代理店の今後について大阪代協の委員会委員への期待を込め、55分間、熱く語り続けられました。
グループディスカッション「こんな時どうする!?」
休憩時間を経て、参加型のプログラムに移行しました。今回は、各委員会のメンバーが入り混じり、8つのグループに分かれてディスカッションを行いました。初めて顔を合わせる者同士もいましたが、40分間大いに盛り上がりました。






テーマは 突然トラブル発生!「こんな時どうする?」とし、会員から寄せられた3つの具体的なトラブル事例について、代理店の対応について話し合いました。
<トラブル事例の3つのテーマ>
①困った!人身傷害補償が使えない!
②きみは一言でも私に説明したのか?
③仲間から会社を辞めたい、と相談を受けた・・
その後話し合った内容について各グループから発表があり、最後に伊藤副会長の講評がありました。

委員長からのメッセージ
各委員長から全員に向けてメッセージがありました。
◆企画環境委員会から、全会員アンケートに取組み、業界を変えたい、
◆教育委員会から、日本代協アカデミーで保険代理店の文化を変革したい、
◆組織委員会から、仲間づくりが代協の存在感の原点、賠責セミナーを活用して欲しい、
◆CSR委員会から、ぼうさい探検隊で、子どもたちのリスクへのリテラシーを高めたい、
◆事業活性化委員会から、保険以外の顧客サービス、収入を活用して欲しい、
と短い時間でしたが力強い発信がありました。





閉講挨拶
最後に妹尾副会長が閉講の挨拶に立ち、大阪代協は全国の代協に存在感を示し、保険業界にも少なからず影響を与えている。それは所属する会員が、一致団結してこの業界をもっと良くしたい、と本気で考えているからです。私たち保険代理店にとって代協は大切な存在です。もっともっと盛り上げ、仲間をよびこみ、全員で業界に声を届けていきましょう、と語り閉講となりました。

懇親会
その後、サルバトーレクオモ梅田2FのTheBarに場所を移して懇親会が盛大に行われました。
事業活性化委員会メンバーによるお楽しみ企画も催され、参加メンバーで楽しみました。



(記事:広報室 落合記者)