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 日本代協阪神ブロック協議会(大阪代協、兵庫県代協、和歌山県代協)と損保協会近畿支部は2月13日(火)14時から、地震保険セミナーをオンラインで開催しました。当日は大藪由岐子氏(近畿財務局理財部金融監督第四課保険監督室長)が「地震保険の加入促進に向けた損害保険代理店への期待」について、岡本正氏(銀座パートナーズ法律事務所代表弁護士)が「もしも自分が地震の被災者になったら」について、大西圭介氏(大阪代協CSR委員長)が「~激甚災害の際、報道されない事実~ いつか忘れ去られていく被災者の悲劇、伝え続けることの大切さ」について、それぞれ講演しました。

地震保険の加入促進に向けた損害保険代理店への期待

※大藪保険監督室長

 大藪氏は、1966年に地震保険制度が創設されることになった背景や経緯に触れた後に、現行の地震再保険金スキームの仕組みやこれまでの地震再保険金の支払い状況、地震保険の普及状況の推移などを説明。このうち、地震保険の普及状況の推移については、保有契約件数自体は増加しているものの、その伸びは近年緩やかになりつつあると指摘したうえで「付帯率の低い地域など地域に着目した加入促進、関係省庁等や金融機関、不動産関連の事業者や団体等と連携して多様なチャネルを通じた幅広い層に対する加入促進を図ることが重要」との考えを示しました。

もしも自分が地震の被災者になったら

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※岡本弁護士

 次いで講演した岡本氏は、視聴する保険代理店に向けて被災者からさまざまな相談を受けた場合、どのように声をかけてあげるべきか、どのようなアドバイスをしてあげられるかについて、保険以外の具体的な情報という点もふまえて考えてみてもらいたいと投げかけました。例えば被災者から「家がなくなった。当面の生活費となる貯金もほとんどない。当面の生活費をどうすればよいか?」という相談に対しては「被災者生活支援法にもとづき被災者生活再建支援金をまずは申請することを伝えてもらいたい」としました。

 同様に、「一家の大黒柱の夫が亡くなった。受験を控えた高校生の子どもがいる。大学はあきらめなくてはいけないだろうか?」というときは災害弔慰金の申請を、「津波でトラクターや車が流された。リース料の支払いが迫っている。自宅も津波被害にあい全壊。ローンが2000万年ある。このままリース料金やローンを支払わなければならないのだろうか?」というときは自然災害債務整理ガイドライン(被災ローン減免制度)が使える場合があるので銀行や弁護士窓口に必ず相談するよう伝えてもらいたいと述べました。「借家の屋根瓦が一部はがれてしまって危険だ。家主に言ったが、家主も被災していて修理どころではないという。住宅の修理費用の支援はないか。このままでは危ない。どうしたらいいのだろうか?」というケースについては、住まいを修理する補助と紛争解決である災害ADRの活用も一考だと説明しました。

 総じて岡本氏は「被災者を救ってくれる素晴らしい公的支援制度があるものの、こうした制度は情報として知っていなければ支援してもらえない。知識の備えの差が被災者にとって大きく影響してくる」と述べ、普段からの知識の習得による備えの必要性を強調しました。

いつか忘れ去られていく被災者の悲劇、伝え続けることの大切さ

※大阪代協 大西CSR委員長

 最後の講演では大西氏が、過去に40回以上にわたり被災地支援に赴いたときの経験を紹介。実際に被災地や避難所に行くと、身内での争いごとや避難所運営の苦難、下の事情(糞尿問題・生理・皮膚病)、国と地方自治体との温度差など、報道では伝わらないことや報道されないことが多々あると述べました。

また、こうした経験から、地震保険は震災自殺者を減らすことができるほか、自暴自棄になることを少しでも防げる、病気(栄養失調・皮膚病・消火器肝疾患)になることを少しでも防げる、震災孤児たちの負担と不安を少しでも軽減できる可能性があるとし、「被災現場を知ったうえで保険代理店の仕事をしていると、地震保険を付保させないことは罪だという思いになる」と心境を吐露しました。

 最後に、「私たち保険代理店の使命は、地震保険をお客様に加入してもらうことに加え、自身で感じ取り収集した本当の情報をお客様や地域住民の方々に伝えることではないかと思っている」と述べました。

 3氏による講演終了後は、損保協会からの情報提供として、近畿支部の大束建司氏が地震保険の仕組みや特徴、補償内容を改めて概説しました。また、今年1月に発生した能登半島地震での損保協会の取り組み状況についても紹介しました。

3代協会長による決意表明

 最後に、主催団体である日本代協阪神ブロック協議会を構成する3代協の会長が、地震保険の普及に向けて次のとおり決意表明しました。

■大阪代協の新谷香代子会長

「この国に住んでいるかぎり、いつどこで地震が発生してもおかしくないにもかかわらず、地震保険の付帯率やお客様の意識が都道府県ごとにばらつきがあります。皆さんには自分の胸に手を当ててみてもらいたい。このばらつきはもしかしたら販売する側の意識の問題ではないでしょうか。昨今、世界的にプロテクション・ギャップという言葉がよく使われています。私たち保険代理店はお客様に向けて、リスクをイメージできるように伝え、最適なカバーを提供できているでしょうか。一人ひとりの募集人がこのプロテクション・ギャップの問題を自分事として捉え、ギャップの縮小に取り組んでいきたい」

■兵庫県代協の先小山剛会長

「阪神淡路大震災がきっかけとなって現在の地震保険が形作られることになりました。保険代理店の皆さんには、諸先輩方が阪神淡路大震災で体験した大変なご苦労に思いを寄せてもらいたい。当時の代理店はお客様の役に立ちたくてもできませんでした。今の私たちは万が一のときにお役に立てる地震保険をお勧めすることができます。それは当たり前のことではありません。過去の悲惨な歴史を経て、今に至っていることを忘れないでもらいたい。そしてすべてのお客様に地震保険を勧めていただきたい」

■和歌山県代協の坂本正和会長

「必ず発生するといわれている地震に対して、今、私たち保険代理店がするべきことは何でしょうか。避けられないこのリスクへの対策は十分図れているでしょうか。本日を機会にもう一度、これらのことについて真剣に向き合っていただきたい。地震発生時のシミュレーションはできているでしょうか。保険険代理店としてのBCPはできていますか。そして何よりも、保険代理店としてお客様に地震保険をもれなくお勧めすることはできていますでしょうか。和歌山県代協では、今できることとして地震保険の付帯率向上に全力で取り組む考えです」

(記事:新日本保険新聞社)

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