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南海トラフ巨大地震に備えるセミナー開催

2026.01.28

12月2日15時から、大阪市北区の梅田センタービル16階H会議室で、損害保険協会近畿支部との共催で「地震保険セミナー」を開催しました。(YouTubeも同時配信)

開催にあたり、損保協会近畿支部の東口嘉仁委員長が挨拶に立ち、「今年3月に南海トラフ地震の新たな被害想定が公表され、近畿圏では甚大な被害が発生することが想定されています。また、この巨大地震が30年以内発生する確率についても相当の確率で発生する覚悟をしておく必要があると思います。巨大地震リスクとどのように向き合って日常を送るべきかを考えることは私たちの課題であります。本日のセミナーでは、なぜ損保代理店として地震保険を普及することが重要なのかをということを各講師の皆さまにご講演をいただきます」と述べました。

基調講演:福和伸夫氏(名古屋大学名誉教授)

最初の基調講演では、名古屋大学名誉教授、あいち・なごや強靭化共創センター長の福和伸夫氏が「南海トラフ巨大地震の近畿圏内における被害想定と備えの重要性について」をテーマに講演を行いました。
南海トラフ地震による全壊家屋は全国で約235万戸、半壊家屋は約500万戸と想定されています。1年間で建設できる新築件数は50~60万戸に過ぎず、すべてを立て直すには10年を要すると考えられます。
公表された発生確率をみても分かるように想定値は幅広く、地震を予想することの難しさとともに事後対策の厳しさを指摘しました。しかし、2015年の口永良部島では大噴火したにもかかわらず島民は1人の死者も出しませんでした。一方、これより小さな規模の噴火であった御岳山では63人が犠牲になりました。同氏は、「この差は、国民・島民に避難をする意識があったかどうかの違いによるものである」と述べるとともに、「こうした災害の情報や対策について、現状、私たちは他人(気象庁)任せになっているが、一人ひとりが自分で考えなければならない時期に来ている」と強調しました。
福和氏は、これまで起きた自然災害・疫病と歴史の変化を振り返り、これらが歴史の転換点の要因になっていると指摘。その理由としてそこに破壊と再生が起こることを挙げました。また、過去の文献に記載された内容は現代に通じる様々な警鐘・諫言となるが、現代社会をみると耐震化や危険回避、高層ビル対策、ライフライン強化は十分といえるものではないとの考えを示しました。
その上で、南海トラフ地震による被害は被災者6,000万人、直接死は約30万人と考えられ、関連死を含めると想像もつかず、被害は能登地震の数百倍にもなる可能性があるとし、「社会機能を維持し命をつなぐには事前防災しかない」と危機感を募らせました。
そして、「南海トラフ巨大地震への備えとして、損保業界全体が地震保険の販売を通じて、住宅の耐震化や家具の転倒防止といった事前対策の重要性を訴えかけてほしい」と述べるとともに、地震災害軽減には産業界と住民と耐震化努力が必要であり、様々な分野における制度等の検討を行い、総力を結集して臨む体制の構築が重要だ。そのためには「防災庁の設置は欠かせない」と強調しました。

保険代理店に期待すること:谷川幸司氏(近畿財務局金融監督第四課長)

続いて、財務省近畿財務局理財部金融監督第四課長の谷川幸司氏が「地震保険の普及に向けた損害保険代理店への期待」と題し講演を行いました。同氏は、
①地震に対する保険が必要とされた経緯
②制度の強靭性を支える「再保険」の仕組み
③加入促進に関する課題
④損保代理店への期待
の4つについて説明しました。
③では、累次の震災以降、防災意識の高まりを受けて、地震保険の火災保険契約への付帯率、世帯加入率は上昇傾向にあるものの、最近ではその増加率は鈍化してきており、関連業界や自治体等を含めた幅広い関係医者と協力して効率的な加入促進策を推進していくことが重要だと述べました。そして、地震保険の認知度に関しては「名称を見聞きしたことがある程度」とする割合が約6割であることを踏まえ、補償内容に分かりやすく周知していくことが求められると要望しました。
その上で、④として、「地震保険制度や補償内容は一般消費者にとって分かりづらく、理解不足が加入率の低さにつながっている。損保代理店は地域に根差した存在であり、地域住民との信頼関係を生かして地震保険の普及啓発活動を推進してほしい」と期待を寄せました。そして、政府広報オンラインにある〝加入していますか?政府が支える地震保険〟〝被災後の生活再建を助けるためにも。もしものときの備え「地震保険」を〟の活用もお願いしたいと締めくくりました。

講演後は、損害保険協会近畿支部の大束建司主査が同協会から地震保険の補償に関する情報提供を行いました。

新谷会長閉会挨拶

最後に、新谷香代子会長が「南海トラフ巨大地震は、今後30年以内に20~90%の確率で発生します。もはやいつ発生してもおかしくないリスクです。お客さま命を守るために、地震の恐ろしさ、対策の重要性、日常生活が失われることへの備えの必要性を、そして命をつなぐために必ずお客様にお伝えしてください。お客様の万が一を思い、巨大地震への対策と地震保険の大切さを説明できるのは、リスクの専門家である損害保険募集人です。『あの人にお勧めしておけばよかった』と後悔することは絶対にないよう、必ずお客様にお伝えください」と挨拶し、終了となりました。

(記事:新日本保険新聞社)

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