一般社団法人大阪代協

広報室の活動報告

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2024年頭所感

2024.01.01

新年明けましておめでとうございます。
2024年を迎えるにあたり、ご挨拶を申し上げます。

昨年は、損害保険業界が大きく揺れ動いた、しかしある意味大変意義深い1年でした。
環境が如何にあっても、私達代理店はお客様に必要とされ、支持され続けることが大切です。
大阪代協は、保険代理店という仕事が将来に向けて発展していけるよう、精一杯取組んで参ります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

<昨年の振返り>

5月には、新型コロナウイルスが5類に変更されるとういう、大きな出来事がありました。
この3年間、日常生活が奪われ、事業環境が一変し、社会のあり方そのものが大きく変化した中で、アフターコロナが始まりました。世の中が一斉に、経済活動を開始し、激しい円安と重なり、経済は一気にインフレへと加速しました。

6月には、ビッグモーターの不正請求問題、損保各社のカルテル疑惑問題が相次いで明らかになりました。その後、ビッグモーター問題では、7月に金融庁の立入検査が行われ、さらには保険会社にまで検査の手が及びました。
そして、ついに11月末、ビッグモーターには、財務局による「代理店の取消」という前代未聞の処分が下されました。行政当局による「代理店の取消」が行われたのは今回が歴史上初めてのことです。

一方の、カルテル疑惑問題については、金融庁から各保険会社に、報告徴求命令が出されました。さらに年末には業務改善命令が発出され、内部管理態勢の不備是正が求められました。
公正取引委員会も、大手4社など約20カ所に、立入検査を行いました。立入先には、代理店も含まれており、まさに業界全体を巻き込んだ大事件に発展しました。

これらの問題について、金融庁はいずれも「体制整備の欠如・経営管理態勢の不備」を指摘しています。

<業界問題の今後>

BM問題に関して、昨年末に予定されていた、保険会社の外部弁護士による最終調査報告は年明けに延期となり間もなく公表されるようです。
代協としては、お客様や罪のない代理店が困窮するような処分に否定的な立場を示していますが、今後、金融庁や公正取引委員会がどのような判断を示すのかに注目が集まっています。
併せて保険取引における、いわゆる「商習慣」の見直しに、業界としてどこまで本気で取組むのか、世間の厳しい目が注がれています。

<大阪代協の対応>

損保業界が激しく揺れ動き、保険代理店も厳しい影響を受ける中で、私たち大阪代協は何をするべきなのか?という課題が突き付けられました。
お客様からの信頼を取り戻すためには、保険業界を挙げて、今一度顧客本位の業務運営に立ち返る必要があります。
私達が着目したのは、保険会社が、代理店手数料ポイント制度を通じて、代理店に求める「品質」についてです。この時期を捉え、保険会社が代理店に求める品質が、お客様にとっても重要な品質なのか?
という懸念を、明確に示す必要があると考えました。

そこで実施したのが、「全会員アンケート」です。会員の皆様から511件の回答をいただき、これを総括し『全会員アンケートを通じて見えてきた「会員の思い」』を10月に公表しました。この中で代理店手数料ポイント制度に対する、7つの提言を行っています。大阪代協は、皆様の声を様々な方法を使って保険業界へ発信しました。一人一人の声は小さくても、集まって代協という組織を通じて届ければ何かが変わる、と信じていたからです。

そして、実現したのが、大阪代協が単独で行った、保険会社との意見交換会です。保険会社の東京本社の方が、現地に来て、現場の代理店と意見を交わすことは、日本全国の代協を見ても初めてのことではないかと思われます。意見交換会の内容については改めて報告したいと思います。

<2024年の取組み>

昨年の喧騒をひきずったまま、年が改まりました。
まずは、一連の出来事をしっかり整理して、保険業界として、代理店として何をするべきか本質を把握することが大切です。大阪代協では、新春オープンセミナー「迷走する保険業界が向かう先は?」を開催します是非ご視聴下さい。
(新春オープンセミナー案内リンク)

大阪代協としては、現下の情勢を踏まえ、改めて顧客本位の業務運営を一層徹底すべく下記の点に注力して参ります。

・お客さまとの関係強化に資する取組み

会員の皆様が、お客様に寄り添い、お客様から必要とされ、支持される代理店であり続けるために、何ができるのか考えプログラムを提供して参ります。

・体制整備強化に資する取組み

昨年の諸問題において、体制整備の不備、経営管理態勢の不備が指摘されているとおり、私達代理店の体制整備は極めて大切です。代理店の組織づくりや、経営管理態勢強化の観点から、様々な情報提供や学ぶ機会を提供して参ります。

・会員の声、思いを届ける取組み

来年度で4回目となる全会員アンケートを継続して実施します。
アンケートのテーマは、日本代協とも十分に連携し、活力研の下支えにもなり得る観点から、皆様の声を集めたいと考えています。是非ともご協力をお願いいたします。

<最後に>

今年は8月に開催されるパリオリンピックや、MLBでの日本選手の活躍が楽しみな1年です。
一方、ウクライナやガザでの戦争が暗い影を落としています。11月のアメリカ大統領選挙の行方も気がかりです。国内の少子高齢化の進行、物価の高騰は私達の経営に深刻な影響を及ぼしています。

しかし、たとえどのような環境であっても保険代理店が視線を向けるべき方向は、お客様と自社の経営以外にありません。お客様から必要とされ、支持していただくために、自社の経営はどうあるべきなのか、ここを突き詰めなければなりません。

「過去と相手は変えられない、自分と未来は変えられる」

という言葉があります。私たち代協は、保険代理店の皆様の、そのような前向きな取組みをサポートできる存在であり続けたいと考えています。

今年は辰年ですが、龍は自然を支配する巨大な力を持つとされ、激動・変革の年と言われています。損害保険に携わる者としては、どうか自然災害が静まり、さらなる顧客本位の業務運営の進展に向けて、業界全体が力強く変革を進めて行くことを期待します。

この1年が、会員の皆様にとって大いなる飛躍の年となりますよう、そして皆様、社員の方々とご家族様にとって健やかな年になりますことを心から祈念しております。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

(会長 新谷 香代子)

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