一般社団法人大阪代協

南支部の活動報告

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課外研修(堺市総合防災センター)

2022.09.30

9月29日(木)14:00より、令和4年度第3回支部会(課外研修)として、今年4月にオープンしたばかりの「堺市総合防災センター」に行ってきました。地震や台風などによる災害が続いている昨今においての注目の施設ということで、総勢20名の参加者が集まりました。

【導入時の概要説明】

まず導入として、約10分の映像で、いつかは必ず起こるであろう災害の怖さや、それに直面した時に自分自身や家族をはじめとする大切な人達を守るにはどう備え、どう行動すれば良いのかを学びました。保険代理店という、災害とは切っても切れない関係にある職業の為なのか、映像に込められたメッセージが時間以上に長く重く感じられ、内心「導入でこの情報量!?」と、施設側の、共有してほしいという力の入れ具合が早くも伝わってきました。そこから10人ずつの2班に分かれ、災害時の体験学習へと移りました。

【応急救護体験】

AEDの操作方法や胸骨圧迫など、人命救助のやり方を体験しました。AEDは、心室細動を起こしている心臓を機械が自動で判断し、それに対して電気ショックを与え正常なリズムに戻す為の医療機器です。正常な心拍の心臓や、心肺停止状態の心臓に対しては作動しません。医療ドラマでよくある、心臓が止まっている患者に電気でバンッとやるアレは、ドラマの中だけなのだそうです。

胸骨圧迫は、以前は心臓マッサージといっていました。しかし「心臓の位置は左胸」というイメージ(実際は、中心から若干左寄りな程度)から、その呼称から受ける印象のままマッサージを行い、肋骨を骨折し、臓器を傷つけてしまうことが多くありました。肋骨より太く丈夫な胸骨の上から圧迫することで安全かつより正確な位置でのマッサージができるよう、現在の「胸骨圧迫」という呼び方になりました。心室細動から心肺停止に至るまでの時間は約4~5分といわれ、その間にAED→胸骨圧迫の流れを行うことで、助かる確率は4倍になります。胸骨圧迫の体験を行いましたが、体力的にかなり消耗し、現場での助け合いの必要性がよくわかりました。

【地震体験】

地震に遭遇した一家の映像を見ながら、実際に震度7の揺れを体験しました。開始前に、設置してある手すりをしっかり握って踏ん張るようにと再三アナウンスがありましたが、内心は「少し揺れる程度ではないか」とタカをくくっていました。ところが機械の揺れは予想より激しく感じられ思わず全身に力が入り、体験後はドッと疲れました。当然実際の地震は目の前の手すりや、まして今から起こるというアナウンスなどなく突然起こります。映像の中で普段からガラス飛散防止シートや家具のストッパー器具等で地震の対策をしているか否かの結果が流れ、我が家は大丈夫だろうかと心配になりました。

【消火体験】

消火器での消火体験を、実際の炎で行いました。まずは大声で火事が起こっていることを周囲に知らせ、蓄圧式消火器(現在の主流。レバーによる動作が何度でも可能。)で4~5M離れた場所から出火元を狙い(今回はデモ用なので中身は水ですが)、消火剤で覆うことで空気を遮断するようにするのがポイントです。
消火器は設置されているのを日頃目にはしますがめったに触ることはありません。それを実際に操作できたことは大変貴重でした。

【煙・暗闇避難体験】

火災の際の煙(体験では、バニラの香りの煙でしたが、怖かった)や、暗闇の中での避難方法を体験しました。火災では、煙を吸ってしまい意識を失い逃げ遅れてしまうことが多くあります。ハンカチ等で口元を覆って、身を低くして移動するなどして、とにかく煙を吸わないことが重要です。暗闇(本当に真っ暗!)の中では、壁伝いに慎重に手探りで歩くことで出口までたどりつきましたが、どちらも閉鎖された空間の圧迫感、怖さを感じました。

【防災情報コーナー】

堺市の航空写真を見ながら、安全な区域等の知識を学びました。その後は様々なパネル展示の中にちりばめられたヒントを基にクイズを解くことでいざという時に役立つ情報を得られました(正直これまで盛りだくさんで、良い休憩になりました)。

【避難所の支援体験】

以後は雨天のため予定を変更し、避難所での高齢者、障がい者の方の支援体験を行いました。内容は、二人一組での車いす操作(サポートする側とされる側で、スピード感のギャップがありました。)、車いすからトイレへの乗り移り体験(これが一人では難しい!)、3㎏のジャケット、厚手の手袋、不安定な角度の靴、視界の狭いメガネなどを身に着け高齢者の方の歩行体験(体も重くよく見えない為、杖がないと歩行が不安でした。)などでした。どれも大変で、災害時などの非常事態ではなおさら動くのが困難です。介助の必要な方へのサポート、声掛けの必要性を感じました。

【備蓄倉庫見学】

敷地内にある、巨大な備蓄倉庫を見学することが出来ました。ここには常時29万食の食糧や5万枚の毛布などの備蓄があり、交通の便の良さから支援物資の配送拠点として設定されています。この場所をはじめ大阪府下には区役所、民間企業、大学などに分散して備蓄拠点を設けており、避難所への避難者や自宅避難者を見越して50万食を目標に備蓄体制を整えています。

大量の備蓄品の消費期限や入れ替えですが、約5年ほど保存が効き、毎年5~6万食を入れ替えるのだそうです。入れ替えの方法ですが、ただ廃棄するのではなく子ども食堂に寄付をしたり、体験ツアー参加者に配布するなどしています(今回はありませんでした・・・残念)。家庭での備蓄については、月一回はレトルトを食べる日にする、補充は通販でおいしそうなものを探してみるなど、楽しみながら備蓄するのが良いとのアドバイスもありました。

今回の体験ツアーは内容盛りだくさんで、正直ここまで充実した体験とメッセージにあふれたものだとは思っておらず、いい意味で大幅に期待を裏切られました。いざという時の為に何度も訪れ体験し、自分に落とし込むと同時に周りと情報や知識を共有するべきだと強く思いました。次は家族を連れてきたいと思います。

(記事:南支部 田中記者)

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