一般社団法人大阪代協

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今、損保代理店の進むべき道とは?セミナー開催

2026.01.29

大阪代協では、1月27日15時から、「『シン』損害保険業界の登場…今、損保代理店の進むべき道」をテーマに新春オープンセミナーを開催し、会員をはじめ、保険会社社員など500名超が参加しました。講師は日本代協アドバイザーの栗山泰史氏です。

新谷会長挨拶

開催に先立ち、新谷香代子会長が、今年に入って発生した地震・雪害被害者へのお見舞いを述べた後、「本日のセミナーは、ここ数年の新春セミナーの総括的な位置づけとして企画しました。2024年のセミナーでは一部保険会社による一連の不祥事の真の原因について、2025年は損保業界の改革に向けての金融庁の考えを、そして今年は保険業法改正と2度にわたる金融庁の監督指針改正について栗山様に全体像を総括していただき、私たち代理店が進むべき道を示していただこうと考えました。保険業界がどうなっていくのか、私たちがその座標軸をどこに位置して、ベクトルがどこに向かっていくのかをご確認いただきたい。来年にかけて代理店を取り巻く環境、保険会社と代理店との関係は大きく変わることが予想されます。本日のセミナーで進むべき方向性を明確にし、業界全体でどうすれば真の顧客本位の業務運営が実現できるのかを考え、実践するきっかけとなればと思います」と挨拶しました。

今、損保代理店の進むべき道とは?

セミナーの冒頭、栗山氏は2025年5月の改正保険業法の5つのポイント
①特定大規模乗合損害保険代理店
②過度の便宜供与の禁止(代理店についても禁止)
③企業内代理店に関する規制の再構築
④保険仲立人の活用促進
⑤乗合代理店における比較推奨販売の適正化

を挙げ、この中で現段階において一般的な専業代理店が影響を受けるのは「⑤の比較推奨販売の見直し」くらいだと説明しました。しかし、手数料収入が20億円以上の「①特定大規模乗合損害保険代理店に対して法律で定められた〝内部監査部門の設置〟」は注目すべき点で、いずれトリクルダウン理論のようにすべての代理店にまで影響してくる可能性があると注意を促しました。
 また、「③企業内代理店」については、特定契約比率規制の経過措置を3年間の準備期間を経て撤廃するとし、代理店としての自立や保険料の実質的な割引に関して問題がない場合は規制の適用除外とする可能性があるが、極めて限定的で幅広く認められる状況にはないと述べました。さらに、企業内代理店の提供する役務に応じた手数料の支払い問題(手数料率によるプロラタでは無くなる可能性を指摘)に関しては、将来的に地域の代理店に影響を及ぼす可能性があることを示唆しました。
 「⑤乗合代理店の比較推奨販売の適正化」については、ディーラーチャネルのテリトリー制廃止は当然のこととして、「ハ」方式の廃止にあたり、比較推奨販売に対する代理店の認識と金融庁の思惑はまったく異なると述べた上で、厳格な比較推奨販売が求められる乗合代理店は金融庁の意向に従って比較推奨販売をするしかないと述べました。

 そして、ここに至る背景を1998年の保険自由化から体制整備義務が制定された2016年の保険募集制度改革、現在まさに行われている「常識」「慣行」の改革に至るまでを説明。
一連の問題の要因是正に向けて今起きている波は、「保険業法で定められた、本来常識になっていなければならないことを常識どおりに実践しろ」というメッセージだと強調しました。また、金融審議会ではなく有識者会議を設置したところに、金融庁は法律の問題ではなく、構造的課題を有しているとの認識を持っていると指摘。さらに「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」の報告書の「はじめに」に記された内容により、これまでの損保協会の役割・責任は一転したと述べました。
加えて、報告書には険会社と金融庁による代理店監督の厳格化と同時に、中立的第三者、すなわち損保協会には代理店を一定の基準に基づいて公正かつ適切に評価する業界共通の枠組みを設けるよう示されている点を話しました。これが体制整備義務を具体的に示した、いわゆる171項目にわたる代理店業務品質評価基準(自己点検チェックシート)です。そして同氏は、「代理店業務品質評価基準にしっかり向き合った対応することが代理店経営にとって何より重要だ」と訴えました。

 また、代理店手数料ポイント制度についても触れ、それまで行政手続法上「民民問題」として捉えられていた同制度が、2024年11月に施行された改正金融サービス提供法の「最善利益義務」によって、顧客本位の業務運営の観点からみた業務品質を必ずしも適切かつ十分に評価していないとして、同制度を規模・増収に偏ることなく「業務品質」を重視する評価体系へ変革することが監督指針に記されたと説明しました。

 以上のことを踏まえ、今後事業継続するための代理店の選択肢として、比較推奨販売ができる「製販分離モデル」の乗合代理店になるか、特定保険会社との連携によるメリットを享受できるであろう「製販一体モデル」の専属代理店となるか、の選択が迫られると指摘した。同氏は、その選択はそれぞれの代理店が持つマーケットや強みなどを考慮した独自の経営戦略によるとしつつ、大手販売代理店との競争を避け、専属代理店として保険会社との連携の中で事業継続していくのも現実的な方法ではないかと述べました。

 最後に、ルールベースからプリンシプルベースへ転換したところの意味は、「内部監査体制の強化」「企業文化の重要性」がキーワードになるとし、それに向けた運営を実践するためには「体制整備義務」を果たし、今一度「顧客本位の業務運営」の原点に返ることだと締めくくりました。

今後開催する大阪代協のセミナー

 セミナー終了後、組織委員会の守屋仁志委員長が、3月5日に大阪代協LIVEステーションで「自己点検チェック対策」、5月20日の総会・会員大会で「AI時代に求められる損害保険の代理店経営」をテーマとするセミナーを開催する告知を行い終了となりました。

(記事:新日本保険新聞社)

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