一般社団法人大阪代協

堺支部の活動報告

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9月支部会を開催しました~火災保険の商品比較パートⅡ~

2025.09.29

2025年9月24日(水)午後3時30分から三井住友海上火災保険株式会社堺支店会議室 にて令和7年度第4回支部会を開催しました。大西副支部長が司会者となり31名(会員28名・中央支部会員1名・未加入代理店2名)が参加して情報交換を行いました。

田野支部長のあいさつ

今週は祝日もあって稼働日数の少ない中、支部会にたくさんの方に参加いただき誠にありがとうございます。今日は前回7月の支部勉強会に引き続き火災保険の各社商品比較について高見氏にレクチャーしていただきます。乗り合い代理店におかれましては、監督指針改正を受け今まで以上に比較推奨販売に留意する必要があります。商品の違いを説明するために今日の勉強会は有意義であると思います。8月27日の代理店賠責セミナーの説明の中で、専属代理店であっても他社からの切替で契約をいただく場合、「同じ内容の商品です」と説明するのは問題があると言われています。サービスの違いや補償の支払い方の違いがあってお客様とのトラブルに発展することがあります。そこで他社商品との違いを説明できることが重要と考えます。元損害保険会社の火新のスペシャリストで現在は代理店で両者の立場がわかる高見氏に限られた時間の中で講義いただきますが、少しでも皆さまのお役に立てれたらいいかなと思っています。

【新入会員の紹介】

アロング保険事務所 佐々木 治 様が入会されました。
2か月前にロイヤル保険サービスの中川真一氏に「代協は良いですよ!」と勧誘されたことが加入動機とのことです。是非皆さんも仲間を増やすためのお声かけをお願いいたします。

【理事会報告】

鉢木副支部長より報告がありました。

・審議事項

①全会員アンケートとりまとめ方針
②損保大学課程コンサルコース受講者目標 → 堺支部の目標は7名です。
③会員懇談会(書面開催)事前質問・意見
④日本代協コンベンション参加者 → 堺支部からは、株式会社アークシップの小泉秀樹氏が参加します。
詳細は、下記のリンクをご参照下さい。⇒9月理事会報告リンク入り口

【各委員会報告】

・企画環境委員会 (松本委員より報告)

「大阪代協全会員アンケート」協力のお礼を述べ、10月6日開催する委員会でアンケートの内容を確認し、結果を集計して10月中には大阪代協ホームページにアップする予定です。

・教育委員 8月29日開催(山本委員より報告)

①コンサル運営について、10月28日、11月13日、1月14日実施します。
②人材育成研修会( 阪神ブロック協議会主催)について、9月5日~6日実施しました。
ベンチマーク研修について、7月25日~26日に株式会社ミライトさんへ訪問しました。
④コンサルティングコース受講者募集目標数について、阪神ブロック101名、大阪代協68名、
堺支部7名です。
⑤日本代恊アカデミーについて、大阪代協の目標82件に対し現在50件です。

・組織委員会 9月9日開催(門口副支部長より報告)

代理店賠責オープンセミナーの結果と今後の仲間づくりについて話し合いをしました。
代理店賠責の情宣とモーターチャネルの未加入代理店に対して代理店賠責の必要性を訴え代協に加入いただきたいので、代協未加入代理店の紹介をお願いします。

・CSR委員会 9月3日開催(大西副支部長より報告)

ぼうさい探検隊について、実施状況確認(各支部より発表)
②出前講座について、実績報告と予定(茨木市・堺市北消防ほか)
③無保険車撲滅キャンペーンについて、特に原付バイクの自賠責保険の未加入者に対して注意喚起を目的に実施しています。

【勉強会】

火災保険の商品比較 パートⅡ

7月に開催した勉強会の第2弾として前回に引き続き講師は、堺支部の副支部長でもある株式会社モストコンサルティング泉州支店支店長の高見仁志氏に講義いただきました。

今回の勉強会も前回に引続き火災保険の戸建て(個人用)の部分、本当は企業部分の方が違いがあるのですが、まずは戸建て部分(個人用)で話を進めて行きます。これから話すことは「支払保険金の違い」とかマニアックなようで結構大事なところになります。正直これを知っているか、知っていないかで保険金の支払額と支払いのスピードが全然変わってくるというテーマになります。

まず、前回おさらいで「一般的な事故について」説明がありました。

①隣家が火事になり自宅の壁が焦げてしまった。→ これは何の事故?「火災事故?」「不測かつ突発的な事故?」「物体飛来?」
②すすによる被害。 → これは何の事故?「火災事故?」「不測かつ突発的な事故?」「物体飛来?」
③上層階で火災があり消火に水濡れ。→ これは何の事故?「火災事故?」「他戸室からの水濡れ事故?」「不測かつ突発的な事故?」 
④消防隊により扉を壊された。→ これは何の事故?「火災事故?」「不測かつ突発的な事故?」

これらの事故はすべて「火災事故」として保険金が支払われます。

なぜ、こんな話をするかというと保険金の支払ができるかできないか、何の事故で支払うかによって費用保険金に入るところと損害保険金に入る部分で金額が変わってくるという説明でした。

①保険の目的について →  保険の目的の違いは、補償の中身の次に大事な部分です。「基本的に何を目的にしているか」が物保険において最も重要です。

②保険金額の設定について →  保険価格が一番重要となるが各社の設定金額に違いがある。

ここで本題と違いますが、工場物件の保険価格の設定について説明がありました。

建物の評価は、戸建て同様「㎡単価×総床免責」での算出で大丈夫ですが、そこで忘れてしまいがちな「建物付属のクレーン」「特殊な電気設備」「エレベーター等」の評価金額を加算していないと事故が起きた時にトラブルとなります。
工場物件の要件は「動力50KW以上・電力100KW以上・従業員100人以上のいずれか」とあります。
どうやって見分けるか簡単な方法としてお客様に「関西電気保安協会」の年1回の点検が来ているか確認してみることです。あと電気使用量の通知を確認することで電力の確認ができます。
また重要なことですが、「工場物件」であるにも関わらず「一般物件」で契約しているという話は結構あります。これは保険料にも差が出ますので、お客様とのトラブルに発展することになりますので間違わないよう気を付けましょう。

設備・什器の評価は、固定資産台帳で確認します。但し、あくまでも取得価格であり残存価格ではありません。また、台帳から外れている物は、簿外資産として保険金額に10%~15%を上乗せしましょう。
評価額を「お客様からの申告金額」とした場合、減価償却後の金額や時価相当金額での少な目な申告金額が多く実際事故があった時にトラブルになるケースがあります。

商品の評価は、製造業の場合、「材料+加工賃」として評価するが各工程での評価が必要となります。
例えば事故があった場合の損害保険金算出方法は、
①材料のみ
②A行程「材料+A加工賃」
③B行程「材料+B加工賃+A加工賃」
④完成品 の損害額を加算した金額となります。
実際事故があった場合は、損害額を算出して結果がでるまでかなりの時間が要します。

③水災のリスクについて →  ハザードマップはかなり正確で「内水はん濫」のハザードマップも有効に活用してください。
※大阪代協ホームページに「ハザードマップ活用基本ガイド」を掲載していますのでご活用ください。

④築古物件について

⑤損害保険金と費用保険金の違いについて
修理付帯費用といわれる項目、これが各社どうもててもてないのかそれがどのような影響があるのか説明します。

・「原因調査費用」について、マンション物件では漏水事故があった場合に必須である。
  損保ジャパン社・・・損害保険金として支払
  東京海上日動社・・・費用保険金として支払 修理付帯費用(自動付帯)
  三井住友海上社・・・自然災害に備える特約で支払(現在確認中) 限度額の設定あり
  日新火災海上社・・・費用保険金として支払 修理付帯費用(自動付帯)限度額の設定あり
  AIG損保  ・・・費用保険金として支払 修理付帯費用(自動付帯)限度額の設定あり

・「仮修理」について、台風時のブルーシート設置費用やドアガラス破損などの応急処理費用を支払う。
  損保ジャパン社・・・損害保険金として支払
  東京海上日動社・・・損害保険金として支払
  三井住友海上社・・・自然災害に備える特約で支払 限度額の設定あり
  日新火災海上社・・・費用保険金として支払 修理付帯費用(自動付帯)限度額の設定あり
  AIG損保  ・・・費用保険金として支払 修理付帯費用(自動付帯)限度額の設定あり

・「試運転」について、企業向けの保険で事故で機械が損害を受け必ず試運転を行う必要がありその費用を支払います。家庭用では給湯器などが考えられます。
  損保ジャパン社・・・損害保険金として支払
  東京海上日動社・・・費用保険金として支払 
  三井住友海上社・・・自然災害に備える特約で支払(現在確認中) 限度額の設定あり
  日新火災海上社・・・なし
  AIG損保  ・・・なし

・「仮設物設置費用」について
  損保ジャパン社・・・損害保険金として支払
  東京海上日動社・・・費用保険金として支払
  三井住友海上社・・・自然災害に備える特約で支払(現在確認中) 限度額の設定あり
  日新火災海上社・・・費用保険金として支払 
  AIG損保  ・・・なし

・「残業勤務・夜勤勤務」について
  損保ジャパン社・・・損害保険金として支払
  東京海上日動社・・・費用保険金として支払
  三井住友海上社・・・自然災害に備える特約で支払(現在確認中) 限度額の設定あり
  日新火災海上社・・・費用保険金として支払 
  AIG損保  ・・・なし

・仮住まい費用について
  損保ジャパン社・・・損害保険金として支払
  東京海上日動社・・・なし
  三井住友海上社・・・自然災害に備える特約で支払 限度額の設定あり「仮修理費用」とあわせて
  日新火災海上社・・・建物が半損した場合で対象人数×1万円×支払対象日数が限度
            家財の場合は費用保険金として支払い 限度額の設定あり    
  AIG損保  ・・・「臨時賃借・宿泊費用特約」付帯で建物が半損または家財が全損で月10万円  かつ1事故6か月限度

・残存物取り片付け費用について  
  損保ジャパン社・・・損害保険金として支払
  東京海上日動社・・・損害保険金として支払
  三井住友海上社・・・損害保険金として支払
  日新火災海上社・・・費用保険金として支払 
  AIG損保  ・・・費用保険金として支払 

※残存物取り片付け費用は以前、費用保険金として支払われていましたが現在では損害保険金の扱いに変わっています。変更前は、事故の修理見積書内訳に「撤去片付け費用」と記載があった場合、「撤去」は損害保険金で「片付け費用」は費用保険金として支払われていたのですが、金額の振り分けがあいまいでややこしかったので「残存物取り片付け費用」が損害保険金で支払われることはいい事だと思います。

・「給排水設備自体の損害」について
  損保ジャパン社・・・なし
  東京海上日動社・・・なし
  三井住友海上社・・・不測かつ突発的な事故として対象で支払
  日新火災海上社・・・なし
  AIG損保  ・・・なし 

・臨時費用について
  損保ジャパン社・・・10% 100万円限度
  東京海上日動社・・・10% 100万円限度
  三井住友海上社・・・事故時諸費用 ①火災・風水災等限度特約 ②火災等限定特約 10% 
            300万円限度
  日新火災海上社・・・10% 100万円限度(損害額が新価の70%以上で10%
            (200万円)上乗せ)
  AIG損保  ・・・10% 100万円限度または30% 100万円or300万円限度 

損害保険金と費用保険金の違いは損害認定の違いで差がでるということがあり、臨時費用保険金に影響がでます。

事故が起きたらまず事故原因の特定と損害状況の確認が必要となります。
原因調査のポイントとなる事故は、「漏水」「落雷」があります。
落雷事故の支払いでは特に損保ジャパン社が厳しくなっています。その要因は、九州地方で落雷版の悪徳業者が横行しており、犯行方法は、飲食店に向けてエアコンの故障が落雷が原因としたらで火災保険で補償されると言って何億の請求があるとのことです。
落雷の原因調査でメーカーの証明の取り付けが必要となっています。
保険金支払いに差がでるのは、修理見積書にあると思います。お客様から提出いただいた修理見積書は必ず自分自身で確認します。これが大事なことです。例えば修理の項目が「工事一式」となっていて数量の記載もない場合、実際事故の原因調査をしたのか、どこからどこまでの範囲を修理したのか、ここが結構大事なところです。この後に修理付帯項目になるのか普通の復旧項目になるのかという話になります。そこでお客様に協力いただき見積書の項目1個1個を確認してもらいます。特に諸経費の項目ですが保険会社は諸経費の査定は15%ぐらいだと思い込んでいるので、業者が諸経費にブルーシートを張る人工代や現場確認の費用や警備費用を入れているケースもあり、そこで保険金支払いの差が生じます。見積書には、損害範囲の特定や仮修理の項目・単価・数量はとにかく細かく記載してもらうよう依頼することが重要です。

株式会社モストコンサルティングではMOTフォン(クラウドPBX)を導入し、災害時でもリモートで仕事ができる体制を整えています。

最後に「MOTフォンを導入して南海トラフ地震に備えませんか。」と勉強会を終えました。

【今後の予定】

第5回支部会
日時:令和7年10月23日(木)15時30分~17時
場所:未定(後日お知らせします)
テーマ【代理店業務品質評価自己点検チェックシート座談会】
難しい勉強会ではなく、皆さんで素朴な疑問を話し合う形で開催いたします。

忘年会
日時:令和7年12月6日(土)17時~19時
場所:ダイワロイネットホテル堺東1階 

皆様のご参加をお待ちしております。

最後に集合写真を撮影して支部会は終了しました。

(記事:堺支部 大谷記者)

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