2025年度人材育成研修を開催しました
9月5日(金)13時~6日(土)12時までの一泊二日、万博会場を横目に舞洲のThe Day Osakaにて
2025年度の日本代協・阪神ブロック人材育成研修会を開催しました。主催した和歌山県代協、兵庫県代協の皆さんとともに総勢39名の参加でした。大阪代協からは受講者11名、新谷会長、渡辺教員委員長、清水教育委員、事務局の4名、合計15名が参加しました。

セミナー1:「マーケットチェンジと業種特化の実践」
リスクマネジメントで勝ち抜くヒント
三重県代協に所属されている、株式会社ライフステージ 代表取締役社長 永野 勤一氏を講師にお迎えし、代理店経営を学ぶセミナー第1部が始まりました。

株式会社ライフステージ
株式会社ライフステージは、法人、特に介護福祉事業者に特化し、介護福祉事業者向けのリスクマネジメントを自社の強みとして全国に販路を拡大し業績を拡大している新進気鋭の代理店です。
売上高に占める法人比率は70%、法人のうち介護福祉事業者がさらに70%、従業員4人でありながら、事業所の数にして全国に1600カ所と関わりを持つ驚きの経営をされています。
昨年1年間の法人新規件数が600件超、うちオンライン面談による募集が500件であり、社内フォーメーションを徹底的に効率化し、圧倒的な生産性を実現されています。
株式会社ライフステージの戦略
介護福祉事業に特化する戦略は、永野社長が前職の大手事務機メーカーを退職され、代理店研修生としてこの業界に入られてから三重県内の介護事業所をひとつひとつ飛び込み営業から始め、ゼロから独自のノウハウを積み重ね全国に及ぶ今日の業態を築き上げられました。
同社では、態様によってお客様を4つのゾーンにセグメントし、それぞれのゾーンに対する自社の活動方針を明確に分けて実践されています。中でも福祉事業者の中で次世代を担う若手経営者のゾーンでは、Webを活用した事業サポートサイト「介護福祉総合保険ドットコム」を展開し全国に知名度を高めておられます。
<介護福祉総合保険ドットコム>
https://kaigofukushi-sogo-hoken.com
また、Youtubeチャンネル「保険のきんちゃんねる」を立ち上げ、介護福祉事業の方々向けに施設内でのトラブル事例解説、業界関係者へ対談インタビューなど、常に情報発信を行っています。
さらに、介護福祉事業所の全国的な同業者団体の設立、就労支援、地域社会との交流等にも積極的に関与され業界の育成・発展、そして様々な社会課題の解決に貢献をされています。
永野社長の着眼点
以下は永野社長のセミナーを視聴してはっとさせられたいくつかのポイントをご紹介いたします。
◆多くの代理店は事故を起こしたお客様に時間をかけ、無事故の優良なお客様に時間をかけていない
お客様には事故を防止するための情報提供に注力されています。先ほどのYouTubeチャンネルもそうですが、セミナー開催や勉強会を精力的に開催され、事故防止、優良顧客との接点強化、コンサルフィーの獲得を実現する一石三鳥の取組みをされていました。
◆アンダーライティングの実践
「介護福祉総合保険ドットコム」を通じて全国から毎日何件もの問い合わせがあるとのことです。ライフステージでは必ずオンライン面談を行い事業者を見定めてから引き受けを行っています。いざという時の保険ですが「事故を起こすことが恥ずかしい」と考えている事業者による保険集団の構成を目指しておられました。この業種のリザルトが10%前後という、一般的には考えられない水準を実現しておられます。
◆顧客満足と顧客本位
永野社長は、「顧客満足と顧客本位は全く別物」、と看破されました。
保険料だけを見て安くて満足するお客様は多い。しかし、お客様の潜在的な意向も含め実態をしっかりと確認し、お客様の業容に必要十分な保険を設計しお勧めすること、事故防止のコンサルティングを提供することこそ顧客本位である、と教えていただきました。これはまさしくリスクマネジメントであり、その重要性・意義について学ぶことができました。
最後に
この場でセミナーのすべてをご紹介することはできませんが、30代、40代が中心の参加者の皆さんが、今この時に視聴した永野さんのお話は、きっと今後の代理店経営、保険募集の大きな刺激になったはずです。これからの損害保険業界、代理店という職業を背負って活躍する若手の皆さんが何かヒントをつかんで戻られたことを主催者一同期待しております。
グループディスカッション
休憩をはさみ、永野社長のセミナーを受け、自社を振り返るディスカッションを行いました。テーマは
その①「永野社長の講演を視聴して得た気づき」
その②「代理店の可能性・チャレンジしたいこと」
をテーマに6グループに分かれてグループディスカッションを行いました。
各グループからは、ゼロから全国に広がるマーケットを開拓した永野社長の熱意・行動力に驚きの声があがるとともに、専門性を高め、他の代理店に簡単に追随されない自社の強みを持つことの重要性を唱える声が多くありました。新しい発想や取り組みをされている永野講師のセミナーは大変参考になったようです。






そして各グループによる発表が行われました

恒例の懇親バーベキュー
17時30分からは、大阪で最も夕日が美しいと言われている舞洲の海岸でのバーベキュー懇親会が始まりました。あいにくの曇り空で美しい夕焼けはお預けとなりましたが、今日初めて会った皆さんも和気あいあいの歓談を楽しみました。








伝統の「語ろう会」
20時30分からは、研修棟の和室に場所を移し、阪神ブロック人材育成研修会で伝統となっている「語ろう会」が開催されました。会場では、隣の人の声が聞こえにくくなるくらい、皆が大声で語り合い、講師のお二人も参戦されました。3代協のメンバーが入り混じってあちらこちらで爆笑の渦が巻き起こり、大変な盛り上りを見せました。改めて代協のすばらしさを感じる時間となりました。

セミナー2:激変する損保業界における代協活動の意義
研修2日目の最初のプログラムとして、日本代協副会長を務める株式会社グッドサポート 代表取締役 中島 克海 氏によるセミナーをいただきました。
代協の歴史に始まり、激変する損保業界についての解説、激動の時代における代協活動の意義、代理店と代協の未来への展望について、およそ100枚におよぶスライドをマイクなしで90分熱く語り続けていただいたパワーと熱意に皆圧倒されて聞き入っていました。
中島社長が自社で取組まれている諸施策についも惜しげなく披露をいただき、参加者は数多くのヒントを得ることができました。
中島社長は、セミナーの中で、これからの代理店は「自然災害への対応や地域社会への貢献を通じて、顧客の安心を創造する『かかりつけ』代理店としての地位を確立すべきだ」と発信され、これには多くの参加者が共感を示していました。

恒例の「?分間スピーチ」
10時45分からは、人材育成研修会の最後は、恒例となった参加者による「?分間スピーチ」です。大阪代協の新谷会長から色々とテーマと制限時間が出され、制限時間内にまとめて話すことがルールです。私たちは、決められた時間内で如何に相手に伝えられるかが仕事の基本。難易度の高いプログラムですが、さすが選ばれし人材育成参加者の皆様は、上手にクリアされてました。


研修の最後に
最後に日本代協阪神ブロック担当理事である小橋氏より、研修全体の講評をいただきました。
小橋理事からは、改めて研修の目的に沿った研修であったことを振り返り、阪神ブロックが全国代協をリードするブロックであることの自覚を持って、自社の経営、各代協の運営に精いっぱい取り組んで欲しい、と力強くメッセージを送られました。
閉講に際して、和歌山県代協の橋爪会長が挨拶に立ち、「私たちが代協活動に取組むのは、この先も保険代理店が、お客様や世の中から必要とされ、未来に輝く仕事であり続けるためだ。そのバトンを次の世代に繋げることが今の自分の使命だ。今回の人材育成研修ではその思いで取組んだ、是非皆さんもバトンをしっかりと受取って欲しい。」と語り、研修が終了しました。
(記事:教育委員長 渡辺 太一郎)